図書館70年の歩みⅠ ~特殊コレクションヒストリー
図書54万5千冊、雑誌1万7千タイトル、これは、図書館が世田谷の地にて開設した昭和23(1948)年11月3日から今日までに収集した蔵書数です。
図書館の蔵書は、日本女子高等学院の創立時から人見圓吉が苦心して収集し、20余年で3万5千余冊にのぼるに至ったにもかかわらず、昭和20(1945)年4月13日の空襲による中野区上高田の校舎炎上で、全てを焼失してしまいました。しかし、同年11月に現校地の世田谷区三宿町(現太子堂)の東部第十二部隊跡に移転し、人見が古書店で坪内逍遥の『小説神髄』を見つけ出してからは、精力的に収集に努めました。
我が国に新たに制定された昭和23年11月3日の文化の日には、卒業生、学生、父兄からの図書の寄贈によって和漢洋書合わせて2万8千116冊を備えた図書館を開設、その後も蔵書の増冊に努めました。昭和28(1953)年に与謝野鉄幹・晶子夫妻の資料を図書館で譲り受けてからは、特殊コレクションの寄贈、購入が相次ぎ、本学教育の特色をあらわす特殊文庫資料と貴重資料を収蔵しています。昭和30(1955)年から現在までに23種もの特殊文庫が設置されました。
本展では、図書館70年の歩みを振り返り、図書館蔵書の中核をなす特殊コレクションを紹介します。