図書館特別展「図書館70年の歩みⅡ ~明治150年記念特殊コレクション展~」
平成30(2018)年は、1月に創立者であり詩人の人見圓吉の生誕135年、9月に明治改元の詔が発せられてから150年という祝い事の重なる記念すべき年で、奇しくも11月3日には、昭和女子大学図書館が、世田谷の地に開設して満70年を迎えます。
今回は、明治150年を記念して図書館の特殊コレクション並びに三大特殊文庫の近代文庫、女性文庫、トルストイ文庫から、明治期に著された特別な資料をご紹介します。
初公開となる『維新前舊儀式取調御用下絵』は、『公事録附図』(明治20(1887)年完成:宮内庁書陵部所蔵)の下絵です。伝統的な宮廷行事について精細に描写し、職名・色彩名なども記録されており、我が国の重要文献といえます。また、明治23(1890)年に第1回帝国議会を開催し、その2か月後に焼失した国会仮議事堂の設計図も我が国における貴重な資料です。
文明開化により、政治、経済、社会、衣・食・住生活、文芸、教育の近代化が進み、その様子は、錦絵に描かれ広く紹介されました。人見圓吉もまた近代化の波に乗り、明治34(1901)年(18歳)から筆名東村、明治39(1906)年から詩人人見東明として活躍していました。我が国の女子中・高等教育の関心も高まり、大正7(1918)年11月に女子教育への高い理想を抱く人見圓吉、人見緑らは「文化懇談会」を発足、これを組織化した「日本婦人協会」を経て、大正9(1920)年に日本女子高等学院を創立しました。そして、本学は、「愛」と「理解」と「調和」を基本精神とするトルストイ教育により築かれています。
明治期特殊コレクションのご観覧を通して、昭和学園教育の源流をたどる機会になれば幸いです。
本展開催にあたり、原資料並びに複製資料の出展についてご快諾いただきました宮内庁書陵部、読売新聞に厚く御礼申し上げます。