昭和女子大学創立100周年記念特別展・新収貴重資料展Ⅰ-歌人馬場あき子氏の文化功労者顕彰を祝して-
昭和女子大学は、この2020年9月10日に創立100周年を迎えました。図書館ではこれを記念して昭和女子大学創立100周年記念特別展・新収貴重資料展を、3回に分けて開催いたします。
第1回は、卒業生で歌人の馬場あき子氏の文化功労者の顕彰を祝して、馬場あき子氏に関する資料、新収の貴重資料の中から尾崎紅葉の二曲屏風と書簡、泉鏡花の印譜と書簡と作品、与謝野晶子の原稿と書簡、与謝野寛(鉄幹)の書簡を出陳いたします。
馬場あき子氏は、1948年に本学の前身である日本女子高等学院の国文科を卒業されました。学生時代の研究発表や、卒業論文のテーマがわかる資料を展示しています。馬場氏は、短歌と同時に喜多流宗家に師事し、能に対する造詣も深く、『晶子 みだれ髪』という新作能も創作しています。与謝野晶子に関する評論と共に展示しています。短歌雑誌「かりん」は、夫で歌人の故・岩田正氏と創刊しました。
尾崎紅葉二曲屏風には、全集にも収録されていない貴重な作品があり、紅葉愛用の原稿用紙が使用されています。泉鏡花印譜の小さな印は、本の検印に使用されたもので、『神鑿(しんさく)』と『婦系図』前編・後編の奥付に検印として押印されています。 与謝野晶子の歌稿は、「国民新聞」に掲載されました。「批評は好悪なり」は、雑誌「電気と文芸」に掲載されたものです。与謝野寛の東京開成館編集部の曽武利三郎宛書簡には、鉄幹という号の使用についての考えも書かれています。
馬場あき子氏の業績や文学者達の貴重な資料をご高覧賜り、それぞれの息吹に触れていただく機会になれば幸いです。

令和2年9月25日
昭和女子大学図書館
歌人馬場あき子氏の文化功労者顕彰を祝して
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