2023年11月29日(水)~2024年2月7日(水)図書館コレクション展 尾崎紅葉と泉鏡花
 尾崎紅葉(慶応3・1867-明治36・1903)とその門人泉鏡花(明治6・1873-昭和14・1939)とは、師弟ともその麗筆をもっておのおの一時代を劃した文豪です。性格や作品の世界は対蹠的でありながら、弟子への慈愛と師への敬慕によって、二人は深く結ばれていました。紅葉が『二人比丘尼色懺悔』で文界に登壇し、幸田露伴とともに「紅露時代」を謳われたのは明治二十年代前半ですが、そのさなかに入門した鏡花は、明治三十年代の前半『高野聖』を頂点とする「鏡花の時代」を招来して、天才の名をほしいままにし、紅葉が病に斃れたのちも、明治・大正・昭和の三代にわたって、たゆまず旺盛な創作活動を展開しました。
 本図書館近代文庫では、従来所蔵の刊本(著書)にとどまらず、書画幅、短冊、書簡等の自筆資料の蒐集につとめてきました。尾崎紅葉没後百二十年、泉鏡花生誕百五十年を迎える本年、所蔵品から精選し、両人の文学世界を開陳します。

二〇二三年十一月吉日
昭和女子大学図書館 館長 吉田昌志
図書館コレクション展 尾崎紅葉と泉鏡花
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