2022年5月18日(水)~7月20日(水) 図書館特別展 夏目漱石 修善寺の大患前後

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2022年5月18日(水)~7月20日(水) 図書館特別展 夏目漱石 修善寺の大患前後

図書館長吉田先生による、日文ブログ「『夏目漱石 修善寺の大患前後』の刊行」はこちら

※近代文化研究所主催 『夏目漱石 修善寺の大患前後』刊行記念講演会についての詳細は近代文化研究所ホームページをご確認ください。


 漱石夏目金之助の生涯五十年には、いくつかの転機がありましたが、そのうち最も深刻であったのは、明治四十三年(一九一〇)四十三歳の時の「修善寺の大患」でした。胃潰瘍の療養のため滞在していた伊豆修善寺温泉菊屋旅館において、同年八月二十四日の晩に大吐血し、三十分間の人事不省ののち、一命を取りとめて蘇生したからです。

 図書館近代文庫の収蔵品の中では「夏目漱石・芥川龍之介・久米正雄往復書簡」(折帖二冊、昭和三十五年(一九六〇)十一月購入)が、漱石関係の重要資料として内外に良く知られています。この書簡は、漱石の亡くなる年、大正五年(一九一六)の八月から九月にかけて、上総一宮に滞在していた帝国大学卒業直後の芥川龍之介と久米正雄とのやりとりですが、折帖の「裏面」に、修善寺大患の滞在療治の費用に関する資料三種が貼付されているのです。

 漱石の研究は日本近代文学において最も考究の盛んな領域ながら、これまで修善寺大患の費用についての情報は必ずしも多くありませんでした。

 そこで、この貴重な資料の公開を中心に、修善寺大患の全容を捉えるべく、本学近代文化研究所でプロジェクトが企図され、爾後四年を要した共同研究の成果を『夏目漱石 修善寺大患の前後―昭和女子大学図書館近代文庫蔵 新資料を加えて―』として公刊するに至りました。

 資料の所蔵元である図書館では、本書の刊行を記念し、このたびの研究の美果を広く周知するため、(Ⅰ)資料の様態、(Ⅱ)修善寺菊屋旅館、(Ⅲ)漱石の治療、(Ⅳ)大患をめぐる人々、(Ⅴ)当時の報道、(Ⅵ)大患以後、の六部の構成によって、原資料の折帖はもとより、近代文庫蔵の漱石、および門下生、関係者の書物等、関連資料を展示し、「修善寺の大患」を立体的に再現する特別展を企画いたしました。

 多くのかたがたに御高覧いただければ幸いです。

二〇二二年五月吉日
       昭和女子大学図書館 館長  吉 田 昌 志

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